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特集 瑞穂の国、日本
稲作で発展した豊かな社会 瑞穂の国、日本
日本人がはじめて稲を栽培したのは、およそ3000年前の縄文時代。
古くから米は日本人の食生活に欠かせない食品です。
近年、日本食は「世界一栄養バランスに優れている食事」といわれ、
各国から熱い注目を集めていますが、その所以もやはり「米」にあるようです。
そこで今月は、日本の米を徹底検証。米の魅力に迫ります。
秋は新米の季節です。おいしい日本の米で胃袋を満たしてみませんか!
ナビゲーター: 船久保 正明 さん
5つ星お米マイスター。ふなくぼ米店オーナー。全国米穀協会おこめアドバイザー、米・食味鑑定士、食生活アドバイザーでもある。食育のための講演会、テレビ、雑誌などでも活躍中。2005年、優良米穀小売店全国コンクールで農林水産大臣賞受賞。
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豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)とよばれた豊かな国
黄金色の稲穂が美しい秋。たわわに実る稲は、昔から日本人の食を支えてきた作物です。私たちは食事をすることを「ごはんを食べる」「メシ(飯)を食う」と言いますが、これはまさに米=食事という意識のあらわれ。米を大切にしてきた日本人の象徴的な食意識ともいえるのではないでしょうか。現在、うるち米だけで400品種以上もあるといわれていますが、ではいつ頃から日本の稲作は始まったのでしょう?
稲は中国大陸から朝鮮半島を経由して渡来しました。以前は「弥生時代頃から」といわれていましたが、縄文時代の遺跡から石臼や農耕器具などが出土したことから、現在では、およそ3000年前から栽培されていたと考えられています。高温多湿の日本の気候・風土は稲作に大変適していたため、全国に広まり、それぞれの地にあった米作りが始まったのです。そこから酒や酢などの発酵文化も誕生。「豊葦原瑞穂国」と日本書紀にも記されているように、日本は瑞々しい稲穂が輝く豊かな国とよばれました。
米の調理法は、焼く、煎るから始まった
現代の日本人にとって、最もオーソドックスな米の調理法は「炊く」という方法ですが、実はその歴史はあまり長くありません。ごはんのルーツを辿っていくと、最初は籾(もみ)のまま焼いたり、煎ったり、湯に浸すなどしていました。次に籾から外して玄米を蒸すようになり、精米技術が進歩したことで水をたっぷり使って煮て食べるようになります。これは現在のお粥と同じですが、いまと違うのは、昔は白米と一緒に芋や小豆を入れていたということです。その後、調理道具の発達と共に「炊飯」という方法へと変わっていきました。しかし、炊いて食べるという習慣が庶民に広まったのは江戸時代に入ってからのこと。当時は麦や稗(ヒエ)などの雑穀に米をまぜて食べていました。白米を主食にできるようになったのは第二次世界大戦以降のことなのです。
コメは健康食
米は私たちのエネルギー源となる炭水化物を多く含み、人の体では合成できない必須アミノ酸をバランスよくもっている食べ物です。現代人の食生活で問題になっているのは油脂類や塩分のとりすぎですが、ごはんはコレステロールや塩分をほとんど含まないことから、高血圧、高脂血症などの予防にも効果があるといわれています。日本人が昔から食べていた、ごはん(玄米・分づき米など)、みそ汁、漬物は非常に優れた組み合わせで、これだけで人にとって最低限必要な栄養素がおぎなえるといいます。日本人の長寿と健康の秘訣はごはんを中心にした食生活にあるのかもしれません。
おいしいごはんを食べる!!
達人が極めた米の炊き方
おいしいごはんを食べるためには、単に質のいい米を購入すればいい…というものではありません。もちろん素材も重要ですが、おいしさに関係する割合は、素材4、精米と保存3、炊飯3といわれています。素材と精米に関しては農家や米屋の問題なので、ここではとくに炊飯方法と家庭での保存法のコツをご紹介します。
プロのコツ 壱 研ぐ 栄養素をきちんと残してやさしく洗う
「米を研ぐ」といったのは、昔は精米しても米に糠が残ってしまったため、力を入れて研がなくては米質が固く吸水をさまたげたり、炊いたときに糠くさくなったりしたからです。しかし精米技術が発達した現在は、軽く洗う程度で十分。力を入れると米が欠けてしまうこともあるので気をつけましょう。洗うときは、大きめのボウルの中に目の細かいパンチ穴のザル又はプラスチックのザルを入れ、中にたっぷりの水を張って手早く軽く2、3度洗います。そしてすすぎを軽く1〜2回。新米ならやさしく泳がせる程度でOKです。
もっとこだわる!
洗い終わったらザルを持ち上げて水を切りますが、そのまま5分間、ザルを傾けて水を切るのがおいしさアップのコツ。5分以上置いてしまうと乾燥して米にひびが入ってしまいます。冬場はとくに注意!
プロのコツ 弐 浸漬(しんせき) ゆっくり吸水! が、ふっくら炊きあげる秘訣
米の吸水時間は夏場30分、冬場1時間といわれていますが、米の中心部までしっかり吸水させるには2〜3時間はかかります。芯までふっくら炊きあがるかどうかを決定づけるのはこの浸漬にあるといっても過言ではありません。上手に浸漬させるポイントは、冷蔵庫などでひやした冷たい水を使うこと。時間をかけて芯まで吸水した米は粘りも強く、艶も出て栄養価も上がりおいしくなり、冷めても固くなりにくくなります。
もっとこだわる!
ちゃんと中まで吸水したかな? そんなときは、1粒取り出して爪や包丁などで押しつぶしてみましょう。粒状に割れたり欠けたりする場合はもう少し。細かい粉状になれば完全に吸水しています。
プロのコツ 参 飯切り 余分な水分をとばしておいしさ持続
ごはんが炊けたら蓋を開け、飯切りしてください。ただし、高速炊飯・早炊きモードで炊いた場合は10分ほど蒸らしてから! 昔はおひつに移すことで余分な水分をとばすことができましたが、いまはそのまま炊飯器の中というご家庭が圧倒的。しっかり飯切りをして水分を外に出さないと、一度出た水分が戻ろうとしてごはんがべしゃべしゃになってしまいます。とくに新米の場合は組織が柔らかいので、丁寧に一粒ずつ空気にふれさせるようなイメージで飯切りしましょう。
もっとこだわる!
炊飯器の機能にもごはんのおいしさは左右されます。買い換えるときのポイントは右の5つ。ぜひご参考に!
(1)火力が強い (2)内釜が厚く深さがある (3)適度の圧力が蓋にかかる (4)洗いやすい
(5)炊飯量が釜の容量の6割から8割程度になる大きさのもの
プロのコツ 四 保存 炊きあがったらすぐラップ!
なんといってもごはんは炊きたてが一番です。でも一食では食べきれない! という場合は炊きあがったらすぐにラップで包み、あら熱をとってから冷凍庫へ。こうすると電子レンジで解凍したときに、炊きたてに近いおいしいごはんが食べられます。保存の一番のポイントは、ジャー保温などで時間をおかないこと。水分をしっかり含んだ熱々のごはんをラップして、水分までいっしょに包んでしまうのが保存のコツです。
もっとこだわる!
ごはんを冷凍するときは、少し大きめにラップを切り、茶わん1杯分のごはんをなるべく平たく包みましょう。厚みがあると解凍の時に中心が解凍されていないなど、ムラができてしまいがちです。また、平たい方が早くあら熱がとれるし、早く冷凍できます。
コメは冷蔵庫で保管するのがベスト
米の保存で気をつけたいのは温度と臭いです。理想は15度以下で温度差のないところ。一番身近なところでいうと冷蔵庫の野菜室などがベストです。また、米は空気に触れると酸化してしまうので、密閉容器や保存用の袋、しっかり口を閉じたポリ袋などに入れておくといいでしょう。冷蔵庫に入れた場合の注意点は、一回入れたら出さないということ。冷蔵庫から出すと確実に温度差が生じるので結露が出てしまいます。こうした米はおいしく炊きあがりません。冷蔵庫はムリ! という場合は、ポリ袋に入れた米を発泡スチロールに入れるのもなかなかいい方法です。発泡スチロールは温度を下げることはできませんが外気の温度に左右されにくく、温度差は生じにくくなります。
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