取引先管理業務の効率化
取引先の与信や管理にかかる時間を削減することで業務に集中できます。
記事公開日:2024年12月24日
最終更新日:2025年1月17日
ファクタリングは、資金調達手段の一つとして知られています。ファクタリングには「買取型」と「保証型」の2種類が存在し、それぞれに特徴があります。ファクタリングの仕組みも2種類あり、利用する際に気をつけたいポイントが異なります。メリットやデメリットを含め、詳しく解説します。
「ファクタリング」とは、会社が販売した商品・サービスの代金を購入した側が支払っていない時点で生じる売掛債権(売掛金)を、特定の業者に買い取ってもらって現金化を図るサービス、または、売掛債権に保険をかけて回収を保証してもらうサービスです。
資金調達の方法でもあり、金融機関からの融資などと異なり、負債を増やす必要がありません。支払い期日より前に売掛債権を現金化できるため、資金繰りを迅速に改善したい場合に用いられます。
また、貸し倒れリスクが高い際にも有効な手段となるでしょう。事業を運営していると、利益が出ているのに債務を支払えない場合があります。このような際、黒字倒産に陥るリスクを回避する目的で「ファクタリング」の利用を検討してみてもよいかもしれません。
「ファクタリング」には買取型と保証型の2種類があり、売掛債権を買い取る側を「買取型ファクタリング」、回収を保証する側を「保証型ファクタリング」と呼びます。それぞれ具体的に解説します。
一般的に「ファクタリング」とは「買取型ファクタリング」を指し、自社が保有している売掛債権を業者へ売却し、取引先からの支払いを待つことなく売掛債権を現金化できます。
資金繰りが苦しいときに使われるケースが一般的ではありますが、設備投資などで突発的に資金が必要になった際にも用いられます。
注意すべき点としては、現金化に際して手数料がかかるほか、業者による審査に落ちてしまい、利用できない可能性があることが挙げられます。一方で、借り入れではないことから、貸借対照表で負債として計上する必要がありません。
「保証型ファクタリング」は、「買取型ファクタリング」のように資金の調達を目的とせず、売掛債権の貸し倒れリスクを回避する目的で利用されるのが一般的です。
「保証型ファクタリング」では、まず自社が保有する売掛債権の保証を業者に依頼します。その後、業者による審査を経て、保証引受の可否、保証金額、保証料といった条件を確認します。その上で保証契約を締結し、保証金を支払います。
売掛債権に貸し倒れが生じた場合は、業者から保証金が支払われるため、貸し倒れによる損失額を軽減できます。ただし、受け取れるのはあくまで保証金のみで、売掛債権を買い取ってももらえるわけではありません。
「ファクタリング(≒買取型ファクタリング)」は契約形態によって、利用者とファクタリング会社の2者で契約する「2者間ファクタリング」、取引先も含めた3者で契約する「3者間ファクタリング」の2つの方法があります。それぞれの違いについて解説します。
自社が業者に売掛債権を譲渡し、その債権の金額から手数料を引いて現金で受け取る仕組みです。
取引先の承認を得ずに債権を現金化できるほか、自社と業者の間で交わされる契約のため、取引先に売掛債権を売却した事実を把握されないことがメリットです。
取引先に請求書を発行後、業者に売掛債権の買取を依頼し、条件や内容に合意できたら契約します。その後、売掛債権の金額から手数料が差し引かれた代金が口座に振り込まれます。
その後、取引先から入金されたら、その金額を業者へ送金することになります。
自社と業者から取引先に売掛債権の譲渡を通知し、取引先の承諾を得た上で業者に売却する仕組みです。
手数料は「2者間ファクタリング」に比べて安く抑えられます。ただし、3者間の合意に基づいて契約するため、現金が手元に入るまで時間を要します。
取引先に請求書を発行後、業者に売掛債権の買取を依頼し、条件や内容に合意できたら、取引先に通知して承諾を得ます。その後、売掛債権の金額から手数料が差し引かれた代金が口座に振り込まれます。
「2者間ファクタリング」とは異なり、取引先からの入金後に業者へ送金する必要はなく、業者に対しては契約に合意した取引先が売掛金を支払う形で完了します。
「ファクタリング」には、業種や業態に関係なく利用できるという利点に加え、資金調達を検討している企業にとって、融資や借り入れに比べて利用しやすい側面があります。ここでは「ファクタリング」を利用するメリットを解説します。
何より、迅速に現金を手に入れられるのがメリットです。最短即日で売掛債権を現金化して口座に振り込まれるため、金融機関から融資の承認が下りるまで待てない場合など、急を要する資金需要に対応しやすいといえます。
また、買掛金の支払い期限が迫っている際にも有効な手段となるでしょう。よって、喫緊の資金調達を希望する場合は、取引先の承認が不要となる「2者間ファクタリング」が適しています。
万が一、取引先が倒産するなどして売掛債権が回収できなくなった場合でも、自社が業者から受け取った代金を返金する義務は生じません。
一般的な手形取引では、手形の発行先となる取引先が倒産したり不渡りを起こしたりしたら、売掛債権を有する自社が責任を問われます。
一方で「ファクタリング」は、売掛債権を売却した事業者に返済義務が生じない「ノンリコース」による契約が原則となるため、自社が責任を問われることはありません。
「ファクタリング」による資金調達にはメリットがある一方で、気をつけなければならないこともあります。ここでは、「ファクタリング」を利用するデメリットを解説します。
前述した通り、売買手数料や保証金が必要になります。
「2者間ファクタリング」の手数料は審査の結果で決まります。自社や取引先に対する信用が低いと貸し倒れリスクが考慮され、割高に設定される可能性があります。
売掛債権の減額を抑えたい場合は、「2者間ファクタリング」に比べて手数料を安く抑えられる「3者間ファクタリング」の利用を検討してみましょう。
いずれにせよ、現金として受け取れる金額は売掛債権の額面を下回ります。
当然ではありますが、売掛債権以上の金額は現金化できません。
ファクタリング会社は、売掛債権の額面に準じて買取または保証を担っている事業者であり、貸金業者ではありません。
どうしても売掛債権以上の現金が必要になった場合は、金融機関からの融資など、別の資金調達手段を検討してみましょう。
「ファクタリング」には買取型と保証型があり、それぞれ違った手続きが必要になるため、企業にとっては業務が煩雑化する一因となります。そんなときは、売掛債権の未回収リスクの軽減を希望する企業向けの外部サービスを検討してみるとよいでしょう。
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