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記事公開日:2026年4月14日
最終更新日:2026年4月14日
支払督促は、通常の訴訟よりも簡便で費用負担が少ない債権回収手続きです。
支払遅延や未回収債権は企業の資金繰りに直結します。支払督促は、電話や書面の督促では入金されない場合に有効です。一方で、費用構成や書類作成の要点を十分に理解しないまま進めると、手続きが長期化する可能性もあります。
本記事では、支払督促の費用と流れ、提出書類の準備方法、発生する費用の内訳、異議申立て後の対応までを解説します。
支払督促とは、債務者からの未払金や貸付金の回収を目的として、簡易裁判所に申立てを行い、支払いを命じてもらう法的手段です。
民事訴訟とは異なり、裁判官による審理や期日が設けられず、書記官が申立書の内容を形式的に確認するだけで手続きが進むため時間と費用を抑えられます。また、請求金額や期日が明確な債権の回収に適しています。
債務者側が異議を申し立てなければ、仮執行宣言により強制執行が可能となります。なお、支払督促の対象となる債権は以下のとおりです。
支払督促の対象となる債権の例
出典:政府広報オンライン『「お金を払ってもらえない」とお困りのかたへ、簡易裁判所の「支払督促」手続きをご存じですか?』
支払督促は、書面審査のみのため通常訴訟より短期間で結果が得られ、コスト負担も軽いのが利点です。
また、訴訟のように弁護士を必要としないケースが多いため、企業内の財務・経理担当者が主導して申立手続きを進められる点も実務上のメリットです。
ここでは、主にメリットに焦点を当て、支払督促の特徴を5つに整理して解説します。
出典:政府広報オンライン『「お金を払ってもらえない」とお困りのかたへ、簡易裁判所の「支払督促」手続きをご存じですか?』
支払督促は、裁判所の書記官による書類審査のみで進められる簡易的な審査手続きです。
債権者は申立書に必要事項を記入し、証拠書類を添付して裁判所へ提出します。したがって、債権額が明確で、契約書や請求書など資料の整備ができている場合、非常に有効です。
書類の内容が法的に問題なければ、督促状が債務者に送達されます。つまり、証人尋問や口頭弁論といった審理が不要なため、申立人である債権者は裁判所に出向く必要がありません。
支払督促の申立てにかかる裁判所費用(収入印紙代)は、民事訴訟と比較すると約半額に設定されています。
収入印紙代は請求額に応じて異なりますが、例えば100万円の債権を請求する場合、訴訟では1万円に対し、支払督促では5,000円で済みます。
このため、支払督促は少額の債権や複数の顧客への請求にも利用しやすい手続きです。コストを抑えながら法的拘束力を持たせられる手続きとして広く活用され、簡易裁判所が受け付ける民事事件の全件数の約3割を支払督促が占めています。
支払督促では、債務者の意見や反論は考慮されず、書記官が債権者の申立内容のみを審査します。審査はあくまで形式的で、書面の記載漏れや法的要件の欠落がないかを確認するにとどまります。
つまり、債権の実体的な内容については判断されません。そのため、債権者側は契約書・請求書・支払期日などの根拠資料を整備し、誤記や請求金額の齟齬が生じないよう、正確に記載する必要があります。
債務者が支払督促に対して異議を申し立てた場合、この時点で支払督促の効力は失われます。
支払督促の申立書が訴状として扱われ、これをもとに民事訴訟が開始されます。
債権者は事前に提出した督促書類が訴訟資料として活用できるため、最初の段階から異議申立てとなる可能性を見込んで証拠を整備しておきましょう。
債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を出さなければ、債権者は仮執行宣言の申立てを実行できます。裁判所がこれを認めると、支払督促は確定判決と同様の効力を持ち、債務者に対して強制執行を行うことが可能になります。
これは預金差押えや売掛債権など、実際の債権回収に直結する段階です。仮執行宣言を速やかに申し立てることで、与信損失リスクを低くできる点が特徴です。
支払督促の申立ては、最低限の費用・書類で手続きが可能です。主に「支払督促申立書」と「申立手数料」、「郵便切手・官製はがき代」が必要ですが、法人が関係する場合は追加で「資格証明書(登記事項証明書)」が必要になります。
ここでは、支払督促に必要な費用と書類について、以下の4項目で解説します。
支払督促申立書は、債権者が督促を求める際、裁判所に提出する書類です。書類は以下3つを明記します。
書式は裁判所が定めており、各簡易裁判所の窓口やウェブサイトから入手できます。申立書に誤りがあると補正指示が出され、発付が遅れる可能性があるため注意が必要です。会計担当者は請求書や契約内容を照合し、法的整合性を確認した上で作成することが求められます。
なお、裁判所が定めている支払督促申立書の書式は、下記リンクからダウンロードできます。
申立書を記入する際は、金額や期日だけでなく、理由を明確にすることが重要です。
まず、請求の原因にあたる契約日・納品日・支払期日を具体的に記載し、根拠となる契約形態(売買取引・請負契約・貸付契約など)を明示します。
この際、債権者・債務者の住所、会社名、代表者名は登記簿の内容と一致している必要があります。法律用語の記載を避け、もし訂正がある場合は訂正印を押印します。遅延損害金がある場合も忘れずに記載しましょう。
誤った宛先を記載すると書類が届かず、手続きが止まってしまうリスクがあるため注意しましょう。また、支払済額や相殺が生じている場合、その旨記載しなければ不備として返却される可能性があります。
支払督促申立書は、原則として債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に提出します。提出方法には「窓口持参」と「郵送・オンライン」があります。
郵送の場合は、収入印紙・郵便切手を同封して返送先を記載し、資格証明書(登記事項証明書)の原本を添付します。オンラインの場合は、裁判所の「督促手続オンラインシステム」で提出します。
支払督促における申込手数料である収入印紙代は、請求金額に応じて定められています。例えば、債権が50万円の場合、訴訟では5,000円に対し、支払督促では2,500円です(2026年4月14日時点での内容)。
具体的な手続きは申立書の余白に印紙を貼付して提出します。収入印紙代は裁判所手続きのための費用であり、通常は債務者に請求可能です。会計処理上は「仮払金」などで処理し、回収時に精算するのが一般的です。
| 請求金額(債権額) | 申立手数料(収入印紙代) |
|---|---|
| 100万円以下 | 10万円につき500円 |
| 100万円超500万円以下 | 20万円につき500円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 50万円につき1,000円 |
| 1,000万円超1億円以下 | 100万円につき1,500円 |
参考:裁判所「手数料額早見表」
裁判所が督促状や仮執行宣言を債務者に送達する際にかかる郵送料として、申立て時に郵便切手を納める必要があります。
また、債務者への送達結果を債権者に通知するために、官製はがきを用いる場合があります。
具体的には以下の3点を封入し、簡易裁判所宛に送付します(2026年4月14日時点での内容)。
| 用意するもの | 必要枚数 | 記入事項 |
|---|---|---|
| 140円分の切手を貼った無地の角形2号封筒 | 1枚 | 債権者の住所・氏名/法人名 |
| 1,250円分の切手を貼った無地の角形2号封筒 | 債務者1名につき1枚 | 債務者の住所・氏名/法人名 |
| 85円の官製はがき | 債務者1名につき1枚 | 債権者の住所・氏名 |
切手額の不足による再請求を防ぐためには、提出前に裁判所の公式サイトや窓口で確認しましょう。
なお、金額や切手の組み合わせは各簡易裁判所によって異なるため注意が必要です。さらに、債務者の人数に応じて費用が加算されるため、事前に管轄裁判所のウェブサイト等で正確な金額を確認することが重要です。
債権者または債務者が法人の場合、資格証明書(代表者事項証明書や履歴事項全部証明書)の写しを提出する必要があります。資格証明書の提出は、登記簿の最新情報を示し、法人の実在性や代表者を確認することが目的です。
資格証明書は法務局で発行され、有効期限は発行日から3ヵ月以内のものが目安です。なお、オンラインでも請求可能です。
経理担当者が申立てを代行する場合は、会社印の押印漏れと共に資格証明書の添付を忘れずに行う必要があります。
支払督促そのものは費用の負担が少ないですが、実務上は証明書類の取得費用やコピー代などの細かな経費も発生します。特に法人の場合、資格証明書の取得や印鑑証明の発行に手数料がかかります。
ここでは、支払督促にかかる費用をより詳細に解説します。
仮執行宣言申立てとは、強制執行に向けた手続きです。債務者から異議申立てがない場合、債権者が申し立てられる制度です。
仮執行宣言申立てを行った場合、簡易裁判所が債務者に仮執行宣言付支払督促を送付します。よって、申立て自体に関わる費用は発生しません。
一方で、債務者への送達を行うための郵便切手を追加で納める必要があります。具体的には以下のとおりです(2026年4月14日時点での内容)。
| 郵送物 | 費用 |
|---|---|
| 債権者用を簡易的な方法で受領する場合 |
|
| 債権者用も特別送達する場合 |
|
債務者からの異議申立てがあり、支払督促手続きが民事訴訟へ移行した場合、追加の費用が発生します。新たに訴訟費用(収入印紙代など)が必要となるわけではありませんが、証拠準備や弁護士委任が必要な場合には別途、専門家報酬などが加わります。
訴訟移行時の出廷費や郵便切手代も増える傾向にあります。しかし、既に提出済みの申立書類は訴状として転用できるため、再作成の手間はかかりません。
ここでは、異議申立てを受けて訴訟を取り下げる場合と訴訟に移行する場合の費用について説明します。
債務者への督促後に入金や和解が成立した場合は訴訟を取り下げることができ、追加費用はかかりません。
また、債権の回収が困難と判定した際も訴訟を取り下げることがあります。どちらの場合でも、裁判所に「取下書」を提出します。ただし、収入印紙代や郵便切手代は返還されず、そのまま雑費として会計処理を行います。
債務者の異議申立てにより支払督促手続きが民事訴訟へ移行する場合、裁判所に対して郵券代・郵便切手代として約6,000円を納める必要があります。
さらに訴訟に備えて準備書面や証拠資料の提出が求められるため、弁護士費用も新たに発生します。なお、最終的に敗訴した場合は、企業が訴訟費用を負担しなければなりません。
支払督促申立書を作成し裁判所へ提出する際にかかる費用は、判決確定後に債務者へ請求できます。
つまり、債権者は費用を一時的に立て替えているに過ぎず、最終的には回収対象となる費用項目ということです。ただし、前述のとおり、敗訴した場合は債務者への費用請求が難しく、一般的には勝訴したケースに限られます。
なお、支払督促申立書の作成・裁判所に提出するための費用は一律800円です(2026年4月14日時点での内容)。
支払督促の流れは次のとおりです。
まず、管轄の簡易裁判所に支払督促申立書を提出します。債務者(取引先)の住所地に基づいて管轄を決定後、申立書に必要事項を明記したうえで、封筒に収入印紙と郵便切手を添付し、提出します。
申立てが受理されると、裁判所から債務者へ支払督促が送付されます。郵送によって正式な送達証明が残るため、債務者が内容を認識したことが法的に担保されます。
債務者の異議申立てがなかった場合、債権者は仮執行宣言を申し立てます。仮執行宣言が認められると、差押えや債権譲渡命令の申立てなど、債権回収の手続きに移ります。
仮執行宣言申立てが認められると、その旨が付記された支払督促が裁判所から債務者へ送付されます。これにより、債務者は法的に強制力のある支払義務を負うことになります。
仮執行宣言付支払督促が確定しても支払いがない場合、債権者は強制執行を申し立てます。執行申立書を作成し、執行官への費用を納付します。これで、強制執行による回収を進められます。
なお、支払督促の流れに関するより詳細な説明は、以下の記事をご確認ください。
債務者(取引先)が異議申立てを行った場合の対応方法は次のとおりです。
支払督促を受け取った債務者が2週間以内に異議申立てを行うと、支払督促の効力は停止します。以後は民事訴訟として扱われ、債務者が裁判所に出廷して主張や反論を行います。債権者は訴訟原告として、請求の根拠となる取引契約書・証憑類の提出を求められます。
異議申立て後の訴訟を続けるかどうかの判断基準は以下のとおりです。
請求金額が数万円から数十万円程度の少額債権であれば、訴訟継続に要する労力と費用が見合わない可能性があります。たとえ勝訴しても回収不能となる場合、訴訟を取り下げて社内での回収努力を続ける方が現実的です。
請求額が高額で、契約書や納品書などの証拠が揃っている場合は、訴訟手続きを継続することが適切です。なぜなら、弁護士費用をかけても回収効果が見込めるからです。この際、訴訟後の回収見込みと費用対効果を試算した上で、継続の可否を判断するとよいでしょう。
支払督促が仮執行宣言付きで発付された後に異議が申し立てられた場合でも、債権者は強制執行を進めることができます。最終的に訴訟で請求が棄却されるケースも想定し、異議の内容や相手の資産状況を見極めた上で、弁護士など専門家の助言を得て対応することが望ましいです。
支払督促の申立てには申請内容の正確性が重要である一方で、債権回収を円滑に進めるための判断軸や選択肢があることも理解しておくことが必要です。
ここでは、支払督促を行う際の注意点を4つに整理して解説します。
支払督促を申し立てる前に、電話やメール、内容証明郵便などを活用して債務者(取引先)に支払意思の有無を確認し、支払いを促しましょう。これにより、債務者の事情や状況を把握できるほか、交渉の過程で支払いについて合意を得られることもあります。
裁判所への手続きを経ずに解決できればそれに越したことはありません。支払督促に進む前の選択肢として、まずは誠実に交渉することが大切です。
支払督促は債権回収において有効な手段ですが、すべての債権に適しているわけではありません。状況に応じて、分割払いや相殺、少額訴訟など他の回収手段を検討し、併用することが重要です。
また、与信管理の視点から債務者の資金繰りや財務状況を確認し、法的手段が最善かどうかを見極めてから申立てを行うことが望ましいです。
支払督促後に仮執行宣言が確定すれば、強制執行により銀行口座・給与債権・売掛金などの差押えが可能となります。したがって、強制執行を見据えて債権回収を進めることが重要です。
支払われない可能性に備え、あらかじめ債務者の資産情報を把握しておくと準備がスムーズに進みます。また、入金先口座や取引先関係などを整理し、差押え対象を特定しておくことも効果的です。
債権回収の代行サービスを利用するのも一つの方法です。専門業者に支払督促申立書の作成代行や提出サポートを依頼することで、書類不備や送達トラブルを防げます。
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