取引先管理業務の効率化
取引先の与信や管理にかかる時間を削減することで業務に集中できます。
記事公開日:2024年10月25日
最終更新日:2026年2月27日
「与信審査」は、企業間取引でリスクを最小限にするために、欠かせない業務です。大半の企業は新たに取引を始める前に与信審査を行います。
では「与信審査」とはどのようなものなのか。さらに「信用調査」との違いに加え、「与信審査」の一般的な進め方や分析方法、注意点を解説します。
取引先に支払能力がなければ、売掛金を回収できません。そこで、スムーズに売掛金を回収できる取引先かどうか見極めるため、「与信審査」を行う必要があります。ここでは、「与信審査」の目的と、「信用調査」との違いを説明します。
「与信」とは、取引先に信用を与えることを意味します。「取引先をどこまで信用してよいのか」「どの程度の金額まで取引してよいのか」など、「与信」ではこうした取引先の信用度合いを確認します。
このような信用に基づいた取引を「与信取引」といい、信頼関係を築ける企業間でのみ成立する取引です。
与信や与信管理についての詳細は以下の記事にて解説しています。
「与信審査」は、取引相手が信用できるかどうかを調べる目的で行われます。特に新たな取引を始める際に欠かせません。
商品やサービスの提供後に代金を請求して売掛金を回収する取引であれば、期日通りに売掛金を支払える企業かどうかを「与信審査」で事前に確認しておくことが重要です。
「信用調査」では取引先の財務状況の調査を行います。その結果を受け、取引先に請求書払いで取引できる支払能力があるかどうかを審査するのが「与信審査」です。
最終的に与信審査の過程で問題が見つからなければ、請求書払いでの取引が可能な企業とみなされ、与信取引ができます。
この2つは混同して使われやすいので、それぞれの違いを理解しておきましょう。
| 目的 | 調査内容 | |
|---|---|---|
| 与信審査 | 取引先の支払能力を調べる | 信用調査で集めた取引先の信用情報 |
| 信用調査 | 取引先の財務状況を把握する | 取引先の過去の取引履歴や経営環境、財務状況など |
また、信用調査(与信調査)の詳細については、下記リンクの記事をご覧ください。
与信審査では取引先を調べる以外にも対応すべきことがあります。ここでは、一般的な与信審査の流れを解説するとともに、審査を進める際に念頭においておくべき事項を確認しましょう。
与信審査にあたり、取引先に関する情報を収集します。収集可能な情報は、取引先のコーポレートサイトに載っている公開データなどの外部情報に加え、取引先の担当者に対するヒアリングで得られる非公開データなどの内部情報があります。
取引先の業績を示す決算書や経営者の評判、登記簿や調査会社から得た情報などを踏まえ、取引に値する企業かどうか、慎重に分析し評価します。「なお、与信審査の分析方法については「与信審査の分析方法」にて後述します。
「与信審査」の結果、取引に問題ないと判断された場合は、妥当な取引額を算出して与信限度額を設定します。新規の取引先であれば、仮に未回収になっても問題ないよう、現実的な取引額を試算して設定するのが一般的です。
与信限度額の設定方法の詳細については、下記リンクの記事をご覧ください。
与信限度額の設定方法とは?基準の計算方法と設定のポイントを解説!
契約の締結に向け、与信限度額などの条件に基づいて取引先と交渉します。もし交渉中に気になる点や問題などがあれば、その場で確認するとよいでしょう。交渉で条件を詰めておくことで、契約後のトラブルを未然に防ぐことができます。
与信審査では、取引先の状況を正確に把握するため、必ず事前に分析する必要があります。では、与信審査においてどのように取引先を分析するべきなのでしょうか。ここでは代表的な分析方法として、以下の2つを紹介します。
財務諸表をもとに情報を分析します。具体的には、以下の3つの決算書を確認して与信審査を行います。
また、信用調査会社の帝国データバンクや東京商工リサーチを活用する選択肢もあります。
数値では捉えきれない情報を分析します。具体的には、取引先の内情を確認する観点で、以下の情報を確認して与信審査を行います。
収集する情報の特性上、与信審査は一つの部門だけでは完結しません。取引先の状況によっては自社で対応できない可能性もあります。ここでは、実際に与信審査を行う際にどういった点に気をつけて進めればよいか解説します。
取引先の財務状況は管理部門が財務諸表で確認できる一方で、取引先の評判や社風などの情報は営業部門が把握している場合がほとんどです。よって、与信審査においては管理部門と営業部門が情報共有できる体制を整えておくとよいでしょう。
自社で収集できる情報の量や質には限界があります。そのため、企業情報データサービスや信用調査会社を活用し、自社だけで収集した情報に依存しすぎない体制を整えておくと、取引先に対する与信審査をより客観的に行えるでしょう。
上場企業をはじめとした大企業の場合は十分に情報を収集できますが、中小企業や新興企業、または海外企業は情報が少ないケースが想定されます。取引先の情報を得にくい場合は与信審査を外部に依頼する選択肢を検討しましょう。
徹底して与信審査を行いたい場合は、専門部署として与信部門を設けます。管理部門や営業部門とは別に与信部門を設けることで、与信審査の強化を図れるだけでなく、取引に関するリスクマネジメントの向上も可能となるでしょう。
与信審査の担当者が変わった場合、審査基準も変わる可能性があります。こうした状況に備え、評価項目を設けて与信審査の基準を標準化しておけば、仮に担当者の変更などがあった場合でも、客観的に評価できる体制を維持できます。
「与信審査」は取引において重要です。たとえ取引を開始できても、商品やサービスの提供後に売掛金を回収できなければ事業の継続は困難となります。一方で与信審査を自社で行おうとすると、時間も手間もかかってしまいます。与信審査のリソースに余裕がない場合は、外部サービスの活用を検討してみるとよいでしょう。
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