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統合報告書

オリコの成長戦略経営面から 企画グループ長メッセージ

サステナビリティを経営の軸に
非連続な未来に自律的に挑む
人材集団づくりが変革のカギ

常務執行役員
企画グループ長 宇田 真也

中期経営計画の策定プロセス

2022年度を初年度とする、3カ年の中期経営計画は、社外取締役を含めた取締役会メンバーとも繰り返し議論をしながら約1年をかけて策定しました。過去からの延長線上で今後の戦略を設計するのではなく、時代の転換点にいることを意識し、過去の振り返りと合わせて、先々のメガトレンドや環境の想定、現在の当社の強みや弱みを認識した上で、変えてはいけないこと、変えなければならないことを整理し、そこから当社が10年後にめざす姿を描きました。その上で、2030年のあるべき姿からバックキャストして従来型ビジネスモデルからの転換を図る道を選択しました。当社は信販会社のリーディングカンパニーとして、約70年の歴史を誇っています。しかし、環境変化や我々が主戦場としているマーケットの市場成長などを踏まえると、これまでの連続性だけでは10年後も同様のポジションで、十分な成長を果たせるとは思えません。このような健全な危機感より、非連続な変化を遂げることを意識し、将来のありたい姿を描いたのです。
2030年に当社がめざす姿は、「様々な社会課題解決に貢献し続ける、イノベーティブな先進企業」と「ステークホルダーからこれまで以上に存在意義を認められる企業」の2つです。具体的な中期経営計画の施策についても、めざす姿とサステナビリティ経営をリンクさせ、6つのマテリアリティ(重要課題)を設定した上で、解決すべき課題とすべての戦略を紐づけました。2030年のめざす社会・めざす姿に向けて最初の3年間である今次中期経営計画は、「新たな事業モデルへの変革」に注力しています。
世界的な気候変動問題への危機感やデジタル化の浸透の流れは、今後も変わらず加速し続けるでしょう。そのなかで、日本の異次元の低金利環境も今後、大きく変わる可能性があります。当社は信販モデルの強みを活かしながらも、新しいビジネスモデルへの転換を図ることで、そうした環境変化のなかでも持続的成長を可能とする、強固な収益基盤を確立することが不可欠であると考えています。

中期経営計画の主要戦略・進捗状況

中期経営計画推進体制の図
中期経営計画初年度のポイント 事業戦略は着実に進捗 ・決済・保証事業、海外事業は増収 ・個品割賦事業の構造改革に着手 経営基盤は更にレベルアップ ・監査等委員会設置会社に移行 ・新たな人財戦略を策定・推進 新たな資本政策 ・資本政策の基本方針を新規制定

中期経営計画は、事業戦略、経営基盤、財務規律・資本政策の3つで整理し、事業戦略として①重点市場深耕と新規事業探索、②マーケットイン型営業の確立、③異業種・先端企業との協働による新商品・サービス創出、④プロセスイノベーションの深掘の4つを掲げています。初年度を終え、重点市場の海外事業は増収し決済・保証事業もシェアを拡大するなど、事業戦略は着実に進捗しています。経営基盤についても、2022年6月に監査等委員会設置会社に移行して経営の迅速化と監督の強化を図り、取締役会では長期視点での議論が活性化するなど、着実にレベルアップしました。もう一つの経営基盤である人材についても、新たな人財戦略を策定し、多様性に富んだ人材集団づくりに向けた具体的な施策としてDX推進人材の育成、スタートアップ企業での副業や社外・海外トレーニーなどへの公募などを実施し、多くの社員が自律的な学びの機会を享受しています。
大きな環境変化のなかで、一方、業績面では計画未達となり、金利上昇の影響を大きく受ける個品割賦事業の収益構造の改革は喫緊の課題と認識しています。リスクリターンとコストリターンに基づく事業ポートフォリオ全体の運営を通じて構造改革を加速するなど、環境変化のなかにあっても持続的成長を実現しうる事業モデルへの転換に向けて、最大限の努力を続けていきます。

サステナビリティ推進体制

サステナビリティ推進体制の図

今回の中期経営計画では、サステナビリティを社会価値と企業価値の両立と定義し、経営の真ん中に置き、一部の部門だけが取り組むのではなく、社員一人ひとりにもそれぞれの業務を通じた社会課題解決に取り組んでもらおうと考えています。2022年4月に新設したサステナビリティ委員会は、取締役社長が委員長を務め、全部門・グループ長を委員として年4回以上開催しています。サステナビリティ委員会の下には、6つのマテリアリティに関連して、「環境・地域」「顧客」「人財」の3部会を設けています。各部会は、部長クラスが毎月集まって多面的な議論を行うクロスファンクショナルな場となっています。例えば私が部会長を務める環境・地域部会では、「Orico Sustainability Fund」の組成や、EVファブレスメーカーとの協業、空き家の活用などを議論し、環境保全や地域活性に資する新規ビジネスの創出にもつながっています。社内では、環境投資は必要コストというよりむしろ成長投資との理解が浸透し、リスクに備えつつ新たなビジネスシーズの探索が始まっています。

主体的に挑戦する人材集団への進化による変革の実現

中期経営計画では、「グリーン」「デジタル」「オープンイノベーション」を切り口に、CX(顧客)、DX(デジタル)、EX(従業員)を通じてSX(サステナビリティ)の推進につなげます。デジタルは、当社の業務効率改善やそれに伴うコスト削減だけでなく、デジタルを活用した新しい商品・サービスの創出を、オープンイノベーションも活用しながら進めていくことで、新たな顧客体験価値の提供につなげます。人材は、DX、CXを進める土台であり、最も重要となります。当社は昨年度、人事基本方針の改正を行い、求める人材像の見直しを行いました。求める人材像の1つ目に「主体性」を挙げ、「『誰か』ではなく『自分』がやる。『指示待ち』ではなく『自分で考える』」としています。これからの非連続な未来に自律的に挑む人材集団を作り上げ、イノベーティブな先進企業、これまで以上に存在意義を認められる企業へと変革していく決意です。