株主・投資家情報 (IR)
統合報告書
オリコの成長戦略経営面から オリコの人財戦略
働く人の価値観やライフスタイルが多様化する時代において大切なことは、会社が社員一人ひとりに寄り添うことだと考えています。社員が会社とともに成長できる関係を築き、すべての社員が、仕事を通じて“自分らしく活躍できる”組織をめざします。
常務執行役員
人事・総務グループ長 松岡 英行
2030年を見据え、変革を実現する人財戦略を策定
当社の人財戦略は、2030年に当社がめざす社会・めざす姿の実現に資するものとして、世の中における人財戦略のトレンドも踏まえながら、当社のこれまでの取組や人事課題、人材の特徴、人事制度・組織運営の整理を行い、中長期的な視点で、組織と人材の在り方を根本的に捉え直し策定したものです。
新たな人財戦略を策定するにあたっては、3つの前提を踏まえて検討する必要があると考えました。1つ目として、労働人口が減少するなかで、働く人々は、会社を自身が成長する場・自分が大切にしていることを実現するための場として捉える傾向にあるため、社員が魅力を感じ、社員を惹きつける組織にする必要があります。2つ目として、2022年から開始した中期経営計画では、当社の事業・組織・プロセスを抜本的に変革することをめざしており、人財戦略も従来からの延長線上ではなく、変革に資するものである必要があります。3つ目として、変革を実行する際には、制度や仕組みを変えるだけでなく、役員・社員の思考・行動様式の改革が必要不可欠であり、こうした行動変容を促すことが求められます。
「求める人材像」についても、今後の変化への対応だけではなく、今後も変わらず当社の社員が持ち続けるべき強みや、強化していくべきものは何かについて、取締役の意見も反映させながら、時間をかけて幅広い組織の関係者との議論を通じて見直し、「人財マネジメントポリシー」は、社員に対して、思考・行動の改革を後押しし支援する会社の取組(コミットメント)として再定義しました。
従来の発想から大胆に転換した、人財戦略のめざす方向性と人事基本方針
こうした経緯を経て策定した人財戦略の根幹には、社員と会社の関係性を「互いに選び・選ばれる(Win-Winの関係)」ものに変えていく、という考え方があります。その実現のために必要な変化を下記のとおり11項目で整理し、求める人材像や人財マネジメントポリシーから構成する人事基本方針を策定しました。
多様性に富んだ人材集団づくりとそのための人事基盤づくり
人財戦略を通じてめざす姿を「会社と社員が互いに成長できるWin-Winな関係構築を通じた社員エンゲージメントの最大化」として定義し、その実現に際して両輪となるのが、「求める人材像」と「人財マネジメントポリシー」です。これらを実現していくための重点実施事項として、以下の2つを掲げています。
1 多様性に富んだ人材集団づくり
個性ある多様な人材が活躍する組織へ
社員と会社の関係性を「互いに選び・選ばれる(Win-Winの関係)」ものに変えていくためには、個人の特性をより活かしていくことが重要だと考えています。能力開発とキャリアに関する挑戦機会の提供など、一人ひとりの成長意欲を高め、強みを伸ばすキャリア支援の拡充を行っていくこと、女性をはじめとして様々なバックグラウンドや個性を持つ人材の幹部登用を加速していくこと、新規ビジネス創出などの核となる専門人材の確保・育成・活躍を推進することに注力していきます。
2 新時代のための人事の基盤づくり
これからの当社に相応しい評価・処遇・育成の制度・運用へ
当社の人事制度や仕組みを抜本的に変えていきます。会社が一人ひとりのライフプランに合わせたキャリア形成を支援し、その一環として2025年4月より、望まない転居を伴う転勤を廃止します。また、重要テーマとして、年功・職能から仕事・ミッションを軸とした新たな人事への転換、「求める人材像」に即した評価軸の見直しと多面評価の導入、次世代を担う中核人材の育成に取り組んでいきます。これらの大前提として、社員が心身ともに健康で、公私ともに生き生きとした生活を送りながら仕事で能力を最大限発揮できるよう、健康経営にも引き続き力を入れていきます。